共通の目標
“人の成長を支援する”
に向かって
共に歩んでいきたい

伊藤 亜貴子さん

A&N合同会社

プロフィール:伊藤 亜貴子(いとう あきこ)/A&N合同会社代表。南山大学、文学部教育学科卒業。その後、㈱進研アド(ベネッセホールディングス)入社。企画営業、企画制作、マネジメント、商品開発、 人事などを経験し、中部本部本部長など管理職を歴任、経営にかかわる。名古屋から大阪への新幹線通勤を機にワークライフバランスに取り組む。大阪本社移転を機に、転職。㈱日本保育サービス(JPホールディングス)にて民間による育児支援事業をサポート。今までの経験を生かし、経営サポートを実務にいたるまでお手伝いできる会社A&Nを設立。
[A&N合同会社] http://www.aandn.biz/

テニスでつながった新しいご縁。

長谷川伊藤さんとの出会いは、テニスでした。自宅近くのテニスのサークルに呼ばれて行ったとき、サークルの男性から「優さん、この日空いてる?」と日にちだけ聞かれたから、あ、また練習に誘ってもらえた!と思って「空いてますよ」と答えたら「やったじゃん!伊藤さん!」って言われて。
ん!?と思ったらミックスダブルスのペアがいないって話になってて^^;
この日空いてるって言った手前、NOって言いづらく、試合に出ることに…。
しかも、いざ出てみたら、リーグ戦1試合目の始まって5分で伊藤さんが足を怪我してしまったんだよね!

伊藤「動かないでいいから!ボールも拾わなくていいよ」と言ってもらって、その後は、ほとんど優さんが一人で戦ってましたね。

長谷川棄権はしたくない空気を出してたから^^

伊藤そりゃそうでしょ!
私も、お願いしておいて、途中で投げ出すわけにはいかないと必死に頑張りました。結局、優さんの活躍もあってその日はトータル5試合しましたね。

長谷川これでやれるだけやったし、何とか試合が終わってよかったな、サークルでまたテニスしようかな程度に思っていたら、試合終わった直後に隣から強烈な視線を感じて。

伊藤「優さん!ちゃんと出て勝ちたいです!」っていう強い眼差しで見つめてました。足が治った後に別の大会に参加しましたよね。

長谷川そうそう!地元テニススクールのミックスダブルスに出て、優勝めざしたけど、結局、コンソレ優勝(敗者戦での優勝)だったね。帰宅後に「本戦で優勝できなくてごめんね」ってことをメールで伝えたんですよね。
そしたら「コンソレ優勝でも、私にとっては初優勝なの。嬉しかったです」って返信がきて、なんか僕も嬉しくなったんですよ!
それで「今度は本戦で勝とう」って、定期的なスケジュールを組んで練習を始めましたね。
この頃から、僕の中ではやっと、この人と一緒にやっているんだって感覚になったんです。それまでは単純に頼まれたし、がんばんなきゃ!という感覚だった。
レッスンの振り替えも同じ時間にするよう調整したり、徹底的に試合の仕方も話し合ったりして、その通りにできるように練習しましたね。
結果、そのスクールの試合に出場して、今度は本戦で優勝しましたよね!

伊藤かなり気づきが多くて、とても楽しく成長できたと思います。特に試合の戦術を根本的に教えてもらえたおかげで、その実践が勝利に結びついたと思います。
テニスの試合運びやアドバイスの仕方を通じて、優さんがプロコンサルタントとして仕事が出来るのもよくわかりました。
やると決めたら目標を決めて、その人のために一緒に頑張ってくれるだけでなく、やり遂げてくれる強い信頼感を感じました。

長谷川優勝後も、次の目標に向かって定期的に練習してますね。
練習中の水分補給に、伊藤さんがいつもいろんなドリンクを持ってきてくれるのだけど、僕がいつもボルヴィックを持ってきているのを見て、次からボルヴィックを準備してくれるようになったんですよね。しかも、今まで見たことのないラベルで(笑)
「このラベル珍しいね」って聞いたら「優さんがこれが好きだと聞いたので、海外からまとめて購入しました!」って言われた瞬間に、伊藤さんは、自分が一緒にやっていくと決めた人に対しては、自分に出来ることを先の事まで全部考えて、すぐ行動できる人なのだなと感じたんです。
もともと、伊藤さんが、これまでどういう仕事の仕方をしてきたのか見たことはないけど、時代的に、今ほど女性が最前線でやっている時代ではなかったはずだし、その中で突き進んでいたのは、この行動力があったからじゃないかって想像できたんです。
その瞬間、人生でもビジネスでも、こういう人にそばにいて欲しいって思ったし、こういう人から学びたいって思ったんです。
ボルヴィックまとめ買いしました!って言った時や、敗者戦で優勝した後は本戦で優勝したいとか、そしたら今度は最初の大きい大会でもう一回勝ちたいとか、どこまでだ!(笑)という向上心というか強さを感じました。
こういうスタンスで今迄仕事をしてきたんだなと思えたのだけど、どんな経験したのかすごい気になっていて、いつか聞きたいなと思ってました。

えっ。そんな体験をしているのですか?

伊藤大きな体験があったのです。
高校生の進学をお手伝いする仕事で、台湾やニューヨークに行きました。そして、ニューヨークの出張から帰る2日前に、あの世界同時多発テロが起こったのです。

長谷川えっ。そうなの?ニュースで見て本当に起こっていることなの?っていう感覚だったけど、あの時現地に居たの?

伊藤2001年(14年前)、優さんは、学生だったよね(笑)
テロが起こって、飛行機が飛ばなくて、数日さらに滞在することになったんです。あの崩れたビルの近くにいて、周りは封鎖されるし、救急車、消防車など緊急車両が行き交う、いつ何が起こるかわからない状況の中、必死にお客さんを守るような行動していました。
でも、あの時に、会社の取った対応などを見てリスク管理の大切さを学ぶことができました。あの時のことを語り始めると2日ぐらいは必要なので、今回はやめときますが、今思えばあれが人生のターニングポイントだったのかなと思いましたね。
実は、その時気づいていなかったけどおなかに赤ちゃんがいたんです。テロにあって…本当に怖いものがなくなりました。
いつ死んでもいいように、仕事も毎日完了形にするように本気で取り組んでいました。
自分がいなくなっても、何か残るものを作っていきたいと振り返るきっかけになったのです。

長谷川仕事を通して、残せるものをつくるという想いが大きくなったんですね。僕は、相続のお手伝いもしていますが、家族にも残せる大切な手紙(エンディングノート)書かなきゃね!

伊藤子ども達のことを考えながら事前に書くのは本当につらい。
想像しただけで涙が出る…。でも、必要ですね。

長谷川そうだね。それで「やらなきゃ」って思って、今のワークライフバランスの仕事に取り組み始めたんだね!

私の使命!

長谷川僕自身の生活も、ワークライフバランスが充実していると感じてますよ!
土日や夜に仕事する時もあるけど、やるときにまとめてやって、平日昼間を使って娘と過ごしたり、保育園のイベントに参加したりしています。僕の場合は、仕事で応援したい人と、プライベートで大切にしたい人が同じなので!

伊藤さっきの大きな体験や、人事に配属になってした仕事が、ワークライフバランスを広めたいと考えるようになったきっかけです。
社員との面談を通じて、働き方の見直し支援を行っていました。会社の皆さんが、少しずつ良くなっていくのを見ているのは嬉しかったです。
ただ、会社勤めだと、その会社の社員さんだけにしか広められない。もっと広く他の会社の方にも、良くなって欲しいという思いが強くなってきて。それで、「やらなきゃ」って独立することに決めたのです。

長谷川人って、いろんな学びが出来て自分が満たされると、今度は周りの人に対してそのことを伝えたり貢献していきたいなって思えてくると思う。
伊藤さんが周りに対して支援していきたいって思ったってことは、やっぱり今までいろんな経験を積んだり、成長を遂げてきた成果だと思うんですよね。僕自身もテニスのコーチをしているときと比べて、今いろいろな人に出会う中で学んだこととか、自分から握みにいったことがあるからこそ、自分がスカウトの立場になってメンバーを育てていきたいなと思えています。
僕と同じ考え方や心の持ち主が増えることで、周りの人や世の中の役に立てることが増えていくと思っています!
なので、その感覚が人の役に立ちたいと思っている人として、すごく共感できるのですよね。

伊藤ありがとうございます。
会社の中で、残業ばかりしている人達を減らして、もっともっと生き生きとした時間を過ごせるようにしていきたいです。そして、その人が本気でやりたいことをしっかりやれるような世の中にしていきたいですね。

長谷川企業のペースで結果、残業になるのではなく、自分のライフスタイルに合わせて仕事してもらうような気づきや改善ですね。

伊藤お金があっても、病気になってしまっては元も子もありません。最近は、もっとたくさんの人を支援していくために、ワークライフバランスのコンサルタントとの集まりをさらに強化したいと思って、全国の人達と勉強会や情報交換も行っています。

今までの経験や知識を活かして
人を支援する。

長谷川伊藤さんは、ワークライフバランスコンサルタントの他に、広告と講師の仕事もしてますよね!

伊藤もともとベネッセコーポレーショングループの広告会社で企画営業をやっていましたので、広告に関しては、知り合いも多くて、よく相談を受けるんです。
講師の仕事は、非常勤講師としてキャリア形成論という必修科目を担当したり、キャリア支援に関する講義をいくつかの大学で教えています。大学生は何か気づきがあるとものすごいスピードで成長していきます。その姿を目の当たりにできる時がとても嬉しいのです。
企業では、社員研修も行っています。
各種経営者団体や企業、行政などで研修講師を行っていて、会社で働いている人、これから働こうとしている人の両者を支援しています。
企業のブランディングにもご協力させて頂くことがあります。東京でブランド戦略マネジメントコースを半年間受講し、みっちり理論を勉強しました。よくブランディングをVI(デザインの統一)からやっているところが多いのですが、私はBI(行動基準づくり)からはじめます。得意分野を持つ人脈とチームを組んで仕事することが多いですね。

長谷川たくさんの経験をして、人を支援し、育成してきた想いがある伊藤さんならではのブランディングの考え方ですね。僕も、おばあちゃんから「人の役に立つ人になりなさい」と言われて育ってきたので今の考え方があるのですが、テニスの話に出てきたボルヴィックまとめ買いの決断力など、伊藤さんの生き方はすごく尊敬できますし、共に人生を歩んでいきたいと思います。

レゴで社員研修!?

長谷川また新しい研修手法を学んできたって言ってたよね?

伊藤そう!LEGO®SERIOUS PLAY®という、レゴブロックを使ったチームづくりのファシリテーターの資格を取ったのです。

長谷川レゴって、あのおもちゃの?

伊藤そうそう!
まだ、日本には普及していなくて、100人ほどのファシリテーターしかいないのですが、この研修は、GoogleやNASAなどの先進企業で活用されているのです。レゴブロックを組み立てるという事を通して、色、形、その組み合わせでブロックに意味を持たせるのです。言葉では伝わりにくいことや、自分の潜在的な考えなどをブロックやフィギュアを使って表していくのです。
特に予想できないことや、答えの見えにくいことを表現していくのに力を発揮しますね。自分やチームの心にあることをカタチとして見せることができ、かつ、みんなにシェアできるので共通認識が持てます。
また、レゴって子どもの頃に何かしら体験してますよね?無心にブロックを積み上げたり、カタチ作っていく遊び心で、シリアスな課題(ビジネス上の問題)を解決していく、参加者が前のめりになって参加できる楽しい研修です。

長谷川僕も理念を持っていますし、そして仲間と共有して、チームを一つにまとめています。それを楽しみながらできる仕組みってすごいですね。

伊藤楽しみながらできるのが良いところです。コミュニケーションも広がって社長も社員も一体になりますから。今後は今まで、色々なことにチャレンジして学んできたことをもとに、新しいことを取り込みながら「人を支援する」ということに的を絞って活動していきたいですね。そして、最終的には、低コストで、短期間に、できるだけ楽しみながら、皆さんが変わっていけるような気づきのある仕事をしていきたいです。

長谷川僕はプロコンサルタントとして学び続けて、知識をもって人の役に立ち、そこで出会った人達を繋いでいくことで、新しい繋がりから生まれる貢献を創っていきます。伊藤さんも、人に気づきを与える技術を日々学び、より多くの人に気づきを届けられるファシリテーターとして最前線を走り続けてほしいです。
業界は違うけれど、人の成長に関われる仕事をしているので「人の成長を支援する」という共通の目標に向かって、共に頑張っていきましょう!