遺言や終活は
希望だと考えています

原田 裕さん

株式会社名南コンサルティング

プロフィール:原田 裕(はらだ ゆたか)/株式会社名南コンサルティング 相続パートナーズ部門 代表専任相談員。1993年株式会社名南経営(現・名南経営コンサルティング)入社。
[株式会社名南コンサルティング] http://www.meinan.net/

お客様との距離感が
強く印象に残っています。

長谷川原田さんとお会いするのは、今回で5〜6回目ですね。実は、まだそんなに多くはないんです。

原田確か初めてお会いしたのは、弊社の会議室ですね。長谷川さんが所属している会の勉強会があり、その時にご紹介いただきました。その後、長谷川さんのお客様とご一緒に相続に関するご相談を頂いたりしています。

長谷川原田さんと初めてお会いした時に思ったのは、固すぎない人だなぁと。いわゆる士業関係のイメージってもっと固いと思っていたのですが、原田さんのゆったりとした物腰や、丁寧にお話を聞いてくださる姿に、やっと見つかった安心&信頼できる方だと感じたのを今でも覚えています。

原田ありがとうございます。私も長谷川さんとお客さんとの距離感が、今でもとても印象に残っています。長谷川さんがお客様と一緒にご相談にいらした際に、お互い旧知の仲のようにお話をされているので、後ほど「ご友人ですか?」とお伺いしたところ「会ったのは3回目ですよ」とのお返事でした。この距離感こそが、長谷川さんの親しみやすさが伝わり、人柄を活かした交流術のひとつなのだろうと感じ入りました。
今のところ仕事絡みでしかお会いしていませんが、いつかプライベートでもお会いできるとよいですね。

長谷川そうですね!是非!!
ところで、原田さんが普段から心がけている事はありますか?

原田私が生まれた時に家族や親戚など、たくさんの人から祝福を貰ったように、死んでゆくときも家族や私と関わってもらえた人達に悼んでもらえるように、生きることに誠実にありたいと思います。

相続のお手伝いと、
遺言の普及を目指して。

長谷川それでは原田さんのお仕事について、お伺いしていきましょう。

原田私の仕事は、まず大きく分けて二つあります。
一つ目は、亡くなった方の財産を、きちんと相続されるべき人に移すお手伝い、いわゆる遺産整理と呼ばれるものです。亡くなった方の財産手続きをどうすればいいのか、何から手をつけていいのかわからない、そんな声も少なくありません。どこに相談していいかもわからず、大きなストレスを負う人もいるのです。
そして二つ目は、「元気なうちに遺言を書きましょう」と遺言の普及のお手伝いをしています。遺産整理の仕事をしていると、ここに遺言があればなぁと思うことも多々あります。
身近な人の死に直面してから、遺言の必然性に気づく人も多いのです。

長谷川自分にはまだまだ早い、自分とは関係ないと思っている人も多いと思いますが、遺言は誰にとっても身近なものなんですね。

願いは遺言が社会制度になること。
遺言や終活は希望だと考えています。

原田自分の身内等、身近な人の死によって遺産分割の大変さを思い知らされる人もいます。特に身内での財産分けの話は難しく、それをきっかけに家族が不仲になってしまうのは、とても不幸なことです。

長谷川僕も自分の祖父が亡くなった時に、どのように葬儀をするかで親戚内で意見が分かれてしまったことがあります。この経験をふまえ、祖母は遺言ではないのですが手紙を用意してくれていました。この手紙があったおかげで、本人の希望する場所で葬儀を行えました。
本人の言葉なので、親戚一同も納得し祖母も喜んでいたと思います。

原田そうですね。生まれること、そして死んでいくことは誰しもが抗うことが出来ない。人生の終わりは万人に訪れるものです。だからこそ、全ての相続が争いにならないように、一人一遺言。遺言が社会制度として受け入れられることを願っています。

長谷川時々ですが、僕が相続診断士として相談に乗っていると「自分は一人だから関係ない」と仰る方がいらっしゃって、そうでは無いんですよとお伝えしてるんですね。

原田世の中が変わって来て、皆さん、色々な事情がおありでしょうから、それについては何も言えません。ですが「最後を一人で迎えるから遺言は関係ない」という事ではなく、ご自身の為でもあるんですよね。おひとりでみえる方が、色々な相談をできるシニアトラストクラブ(※)のような所もあります。
遺言を書くことによって、自分自身を見つめ直す機会となり、もっとやることや決めるべきことが見えてきます。何も自分が亡くなった後の財産分与だけが、人生の課題ではありません。(※)シニアトラストクラブ:お一人暮らしのシニアの方の不安を取りのぞき、安心してセカンドライフをお送りいただくためのサポートを行なう。名南コンサルティングネットワークによる充実のバックアップ体制のもと、生前契約相談センターが運営している。→http://www.seizen-keiyaku.com/

長谷川ただ実際に、いざ遺言書を書こうと思っても、どうやってどの人に頼んだらいいかわからない人も多いですよね。だから、僕は相続診断士として「相談したいけど…遺言書を書きたいけれど…」と道に迷っている人をフォローしたいと思っていて、そこに原田さんのようにしっかりと士業側でフォローをしていただける方が居て、二人が揃う事で、相談したい人を正しい士業に繋ぐ事が出来ると思っているんです。

原田そうですね。遺言や終活というとどうしてもネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれません。遺言や終活だからといって、何も暗く考えることはなく、それはすべて希望だと私は考えています。